今回は緩和時間について考えていきます!
前章でご紹介しましたが、山の上に登る方が、降りるより時間がかかるということはおそらく簡単で理にかなった考え方です。
前章でご紹介しましたが、山の上に登る方が、降りるより時間がかかるということはおそらく簡単で理にかなった考え方です。
このことは、T1のほうがT2よりも長いという事につながり、概念としては、T1はT2よりもだいたい、2、5、10倍くらい長くなります。
実際の値でいうと、生体組織では、T1は約300~2000msec、T2は約30~150msecになっています。
縦緩和と横緩和が正確に終了したことを正確に示すことは困難であり、T1とT2は緩和が完了した時間としては決められません。
そのかわりに、T1は元の縦磁化の約63%になったときの時間として決められます。
T2は横磁化が元の値の37%に減少した時の時間です。
これらのパーセントは信号強度を表す数学の方程式から導かれます。
63%=1-1/e
37%=1/e
ここではこれ以上詳しくは検討しません(ただし、1/T1が縦緩和率、1/T2が横緩和率とも呼ばれることは覚えておいたほうがよさそうです)。
以前には、緩和時間を測ることで組織によっては特異的な結果が得られると信じられていました。しかし、各組織の緩和時間は重複することが多く、また、検査に使った磁場の強さによってもT1が異なることから、このことは間違っていることがわかりました。
緩和時間が長い/短いとはどういうことであり、どんな組織が長い/短い緩和時間を持っているのでしょうか。
ハイボールなどの一気に飲み干すようなものではない飲み物(long drink)を飲んでいる人たちがいます。
いつも混んでいるお気に入りの人気のバーに行って、ハイボールを注文すると、それがでてくるまでしばらく待たなくてはなりません。
このことをT1が長いというように考えます。やっとハイボールがでてくると、それを飲むのにまた時間がかかります。
そうです、T2も長いのです。
そして、水/液体はT1とT2が長いという事を忘れないで覚えておきたいものです。
これには普通脂肪が多く入っていて、太ることを連想させます。
ハンバーガーはファーストフードですぐにできてきます。だから、脂肪のT1は短いというように覚えましょう。
ハンバーガーはファーストフードですぐにできてきます。だから、脂肪のT1は短いというように覚えましょう。
では、T2はどうでしょう。
ファーストフード(脂肪)を食べるには少し時間がかかります。
でも、ハイボールを飲む方が普通はもっと時間がかかるでしょう。だから、脂肪は水よりも短いT2を持っていると理解してください。
水はT1もT2も長いので、水っぽい組織、すなわち水分含有量の多い組織も長い緩和時間を持つことになります。
おもしろいことに、病的な組織はしばしば周囲の正常組織よりも水分含有量が多いのです。
本章はここまでです。
次章から、T1に影響を与えるものについて見ていきましょう。
よい1日を!
次章から、T1に影響を与えるものについて見ていきましょう。
よい1日を!
※「やさしいMRI」の参考文献は原文がインターネットに公開されており、誰でも閲覧可能な「MRI made easy(…well almost)」です。
本ブログは、この原文を参考に記述しています。図も引用させていただいております。
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原文の複製や販売を目的としたものではありません。
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