T2緩和は陽子の位相がずれていくときに起こります。
それには、
それには、
- 外部磁場の不均一
- 組織間の局所磁場の不均一
水の分子は非常に早く動き回るために、その局所磁場も早く波動し、お互いに一種の平均化がおこり、場所によっての大きな正味の内部磁場の違いはありません。
そして、もしも組織内部の磁場強度に大きな差がなければ、陽子は長い時間歩調を揃えたままでおり、T2は長くなります。
大きな分子を含んでいるような純水でない液体は、局所磁場に大きな差が生じます。
大きな分子はあまり早く動き回らないので、その局所磁場もお互いにあまり打ち消し合いません。
このような局所磁場の大きな違いは、結果として歳差運動の周波数に大きな差を生じ、陽子は早く位相がずれることになり、T2は短くなります。
このことは次のような例で説明されます:窪みの多い道で車を走らせていると思ってください。ゆっくり走っているときは、窪みがあるたびに上下にジャンプするでしょう。周囲の変化(磁場の違い)が非常に大きく影響しているわけです。
非常に速く走っている時は、ひとつひとつの窪みについて感じることはありません。
大きな影響を受ける前に普通の状態の道に戻っています。
このように、窪みの影響は平均化され、周囲の変化(磁場の違い)に影響されることがあまりないことになります。
こういったことは私たちが知りたいこととどんな関係があるのでしょうか。
これらすべての過程が、MR画像が最終的にどう見えるかということに影響するのです。
簡単に復習しておきましょう
- T1はT2よりも長い
- T1は磁場強度で変化し、磁場が強いほど、T1は長くなる
- 水のT1は長く、脂肪のT1は短い
- 水のT2は大きな分子を含んだ純水でない水よりも長い
次章では、例を用いた実験をしていきます。
よい1日を!
※「やさしいMRI」の参考文献は原文がインターネットに公開されており、誰でも閲覧可能な「MRI made easy(…well almost)」です。
本ブログは、この原文を参考に記述しています。図も引用させていただいております。
原文の複製や販売を目的としたものではありません。
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